活動内容

本研究所は、多様な研究分野(人文社会科学から生命科学を含む自然科学まで)を専門とする研究者が集い、海外拠点としてバンコク連絡事務所(タイ)、ジャカルタ連絡事務所(インドネシア)を長きに渡って維持管理し、海外からの招へいも常時客員として持つ特徴を持ちます。また、関連する地域研究機関・研究者と連携・協働する共同プロジェクトやイベントなども多数動いています。そのため情報処理室は、単なる所内情報基盤整備・管理運用にとどまらず、研究活動への参画、国内外のフィールドに赴いて新たな基盤構築を行うなど、様々な状況に対応するため積極的なICT利活用を推進しています。

ICTを利活用したサービスの展開

統合型クラウドサービス Google Workspace for Education、コンテンツ管理型ウェブシステム WordPress を基軸に、組織的なコミュニケーション、情報収集・発信および保存における基盤システムの構築・提供を一手に担っています。2017年1月の組織統合(京都大学東南アジア研究所と京都大学地域研究統合情報センター)後は、両組織の情報基盤・サービスを統廃合し、新たな研究所(京都大学東南アジア地域研究研究所)のもとで、様々な課題や問題をサポートしています。また、新型コロナウィルス禍において、すでに提供していたクラウド型テレビ会議システム Google Meet に加え 、大学の授業で採用された Zoom についても技術的な支援や情報発信に努め、テレワークも含めた環境での活動を円滑に行えるように力を入れています。

社会貢献

情報処理室は、利活用している情報サービスやシステムに関連したコミュニティ活動を支援しています。その中の代表的な事例として、情報処理室長が活動する下記を紹介します。

  • 「Gmail」「Chrome」「Googleアカウント」等のGoogle エキスパートとして、それらのコミュニティを先導し、その活動を通じて同サービスの発展に寄与。
  • WordPress 公式リポジトリのプラグイン開発者として、WordPressへアップロード可能なメディア種類を追加する「WP Add Mime Types」等いくつかのプラグインを公開・提供
  • Quoraエキスパートとして、専門的な知識を発信する Quora プラットフォーム上で、Google、WordPress、情報セキュリティを中心に技術的な情報を提供。

研究開発

2003年の時点から図書データベース構築に関して本研究所図書室と連携・協力しており[*]、2011年には図書室とともに「東南アジア逐次刊行物総合目録データベース」を開発し、公開しつづけています。後者のデータベースについては、2023年9月にポータルサイト「東南アジア逐次刊行物データベース」を開設し、紹介しています。

日常的な業務

本研究所・研究部を基軸に置き、所員が快適に研究・研究支援できるような様々なサポートを行っています。効率的に行うための骨子は、問題の予防・早期発見を如何にして行うかです。そのために、事前予防可能な対策および常日頃からの情報収集やコミュニケーションを密にすることを心掛けています。
300台弱ある所内PCの日常的なソフトウェア、ハードウェアのトラブル応対やセットアップ、導入に際してのコンサルティング、サーバの管理運営(サーバは一元管理)、共用ルーム(コンピュータ室)の情報基盤管理運用など幅広い業務内容があります。コンサルティングにはプロジェクト支援等も含まれます。詳しい内容は所内サービスをご覧下さい

  • ヘルプディスク
  • コンサルティング
  • 端末セキュリティ対策
  • ネットワークサービス提供
  • 開発支援(情報基盤、システム、データベース)

主な活動

日常的なサポート業務を除いた、年度ごとの主な活動内容です。

主要な活動については、本研究所要覧の情報処理室欄をご覧ください。
また東南アジア逐次刊行物データベース関連の活動については、ポータルサイト「東南アジア逐次刊行物データベース」で纏めています。

 2020-2022年度


KAIGIO を定点撮影(発表者に焦点)、大規模の部屋にて

コロナ禍の中で、遠隔会議やテレワークを踏まえた情報基盤・サービス提供を行うにあたってこれまで蓄積してきた遠隔会議システムのノウハウをいかしつつ[*]、いち早く技術的な支援や情報発信を行った。また 360度カメラを登載した Meeting Owl や KAIGIO CAM360など新しく登場した情報機器類をうまく活用しながら[**]、その時々のニーズにあったシステムの提供を行った。

 2017-2019年度


WordCamp Osaka 2018

2017年1月の組織統合を本格化した中で、情報処理室体制を統合前の2名(室長1名、室員1名)から[*]、3名体制(室長1名、室員2名)へと拡充した。同時に、両者の情報基盤・サービスについて見直しを行い、統廃合を推し進めた。

2017年には、本研究所でも様々なウェブサイトに利用する WordPress に関する大型イベント「WordCamp Kyoto 2017」を京都大学で開催することになり、実行委員(室長)として会場準備等様々なサポートを行った。

2018年度は、WordCamp Osaka 2018 に登壇し「WP-CLI を活用したメンテナンスフリーな WordPress の管理運用」(スライド)を紹介。反響が大きかったこともあり、その後に講義・演習(ハンズオン)を含めた勉強会を開催講義スライド演習スライド)をするなど、本研究所の情報システムとして利活用した管理運用手法に関するノウハウの情報提供を行うなど、積極的にオープンソースソフトウェアコミュニティへの貢献を行った。

また引き続き、東南アジア逐次刊行物総合目録データベースの開発や東南アジアの司書、研究者、IT技術者向けにデータベースに関する講習をおこなった(さくらサイエンスプログラム)。

 2013-2016年度


2015年 さくらサイエンスプログラムにおける講義風景

東南アジア逐次刊行物データベース構築研究会を基軸として、科学研究費基盤(C)や本研究所・公募共同研究を通じて、特にインドシナ3国(ベトナム、ラオス、カンボジア)を中心に、東南アジア逐次刊行物総合目録データベースの開発や東南アジアの司書、研究者、IT技術者向けにデータベースに関する講習をおこなった(さくらサイエンスプログラム)、情報発信(京都大学アカデミックデイ2015図書館総合展)を展開。

また、GoogleヘルプフォーラムやWordPressコミュニティ(WordBench京都や大阪)、に参加し、WordPress 公式イベント(WordCamp Kansai)やオープンソース系イベント(関西オープンフォーラム)の運営側の一旦を担うなど、プラグイン開発や公開、技術サポート、発表、ハンズオンなど、積極的に得た技術の社会還元を展開。

2017年1月の組織統合を受けて、以後情報処理室が統合後の様々な情報基盤・サービスを管理運用を担っていくことになる。

2012年度

2011年度

2010年度

  • 公募共同研究「東南アジア逐次刊行物の共有化」で収集した東南アジア逐次刊行物総合目録をもとに、公募共同研究「東南アジア逐次刊行物に関する情報の発信」(代表:矢野正隆(東京大学大学院経済学研究科))にて開発を加速した。

2009年度

  • 図書室長(北村助教)とともに公募共同研究「東南アジア逐次刊行物の共有化」(代表:北村助教(当時)(京都大学東南アジア研究所・)) H21-H22 (2009.06 – 2011.03)を開始し、「東南アジア逐次刊行物総合目録データベース」のシステム開発を手がける。2011年4月20日公開。2021年8月現在、本データベースは様々なプロジェクトを経て拡張・拡充し、研究所における基盤的な役割を担う存在になっている。
  • 2005年4月から導入を始めた組織的な端末セキュリティ対策ソフト(全端末総入れ替え)およびシステムの刷新を受けて、2009年8月より新システム導入後より、マルウェア検知報告を月次業務報告で報告し、マルウェア対策に関する啓発活動をより積極的に実施するようになった。2011年度以降は、そのマルウェア報告部分について公開している。
  • 本研究所エリアにおいて京都大学キャンパス無線ネットワークの拡充。

2008年度

  • 2008年4月より、組織的なメールシステムをクラウドサービス Gmail(Google Apps for Education)へ切り替えた。
  • 映像でみる東南アジアのシステム開発を担当
  • 稲盛財団記念館の情報基盤支援(2008-)
  • これまでの遠隔講義・会議プロジェクトの実績をもとに、遠隔講義専属研究員の創出にいたった。この専属研究員とともに、インドネシアとの遠隔会議(国際シンポジウム/総長スピーチ)のシステム構築を担った。以後2011年度末まで専属研究員を中心に、本研究所で関連プロジェクトの遠隔講義・会議支援が続いた。
  • グローバルCOEプログラム(G-COE)において、CMSを活用した産学官連携と社会貢献についてIT系記事にその活動内容について紹介された。
    – CNET オープンソース記事「大学がオープンソースコミュニティに貢献する関連記事)」
    – CNET オープンソース記事「GoogleMapsAPI をGeeklogで使う簡単便利なプラグイン

2007年度

  • 京都サステイナビリティ・イニシアティブ(KSI)を通じて、東南アジアとの遠隔授業の可能性について、インドネシア・ベトナムにおいて模索。2007年11月16日に、インドネシア・バンドゥン工科大学およびベトナム・ハノイ国家大学とインドネシア語による遠隔授業が実施され、多言語による遠隔授業の技術的なサポート。
  • 2007年9月から始動したグローバルCOEプログラム(G-COE)において、プログラム内の組織が膨大になっているため、遠隔会議による円滑な運営を技術的にサポートする方法を模索。2007年11月26日にインドネシアで開催された第1回京都大学東南アジアフォーラム(第1回京都大学同窓会でもある)を遠隔会議を支援。ジャカルタ連絡事務所に遠隔会議基盤構築をするに至った。このときの技術的な手法について、Software Design 2007年6月号 Appendix 2: 「OpenVPNを使ったテレビ会議システム」として執筆。この執筆のきっかけとなった関西オープンソース2006のステージ発表の資料を公開しておく – 発表資料(PDF)
  • 北棟の取り壊し(後に現在の稲盛財団記念館が建築)に伴うネットワークの再構築、稲盛財団記念館(複数部局で構成)の情報基盤構想への参画(2006-2007)。

2013年1月10日 情報処理室長・木谷
2023年9月20日加筆修正